腐食・防食Q&A

腐食・防食Q&A

Q1:迷走電流とは何?

A:迷走電流は意図した回路以外のところに流れる電流のことをいう。

  電気鉄道、電気溶接機、電気防食系、電気メッキ工場などで発生している地中の電流。

 

Q2:電食とは何?

A:主に電鉄迷走電流による腐食をいう。その他には外部電源装置・排流器などの影響による腐食(干渉)をいう。

  なお、電池作用やコンクリートマクロセル等による腐食は電食とは言わない。

 

Q3:腐食とは何?

A:腐食とは、金属がそれを取り囲む環境によって、化学的あるいは電気化学的に侵食されることをいう。

 

Q4:マクロセル腐食とは何?

A:土中には土質の違いがある。この土質の違いにより、土中にある埋設物(主に鉄製配管)は電池作用で腐食する。

 特にコンクリート構造物の貫通部前後は電位差が大きく腐食速度も速いのでコンクリートマクロセルと称され重要な    チェックポイントとなっている。

 

Q5:電気防食とは何?  

A:地中(或いは水中)から金属表面に直流電流を流入させるとある値以上から腐食電流が消滅して埋設物の腐食が抑制される。このように直流電流を流入させ、その分極作用による埋設物の防食方法を電気防食法という。

 電気防食の効果は電位測定を行い、防食電位を維持しているかどうかで確認する。

 

Q6:電位測定とは何?

A:金属は土や水(電解質)の中に入れると固有の電位を示す。これを直接測定することはできないので、基準となる電極と組み合わせて、その電位差を測定することにより相対値として得られる。

 基準電極としては、比較的安定した電位を示す飽和硫酸銅電極、飽和カロメル電極、飽和塩化銀電極などが用いられる。

 電位計測器は入力抵抗の大きいデジタルテスター、高感度記録計、データロガーなどが使用される。

 電位の測定は、電解質中の金属からのリード線を計測器の+側に、金属の近傍に設置した基準電極からのリード線を-側に接続して行う。

 海水中や土中の鋼構造物に電気防食が施されている場合、電位測定を実施することにより防食電位か腐食電位かの判断ができる。よって維持管理には必要不可欠である。

 

Q7:塗覆装とは何?

A:塗覆装は埋設用鋼管の腐食防止のために管の外面に巻かれる防食材で、塗料(アスファルト、コールタールエナメル、タールエポキシ等)と覆装材(ビニロンクロス、ガラスマット等)からなっている。

 埋設用鋼管の外面塗装は優れた耐食性を示すためにある程度以上の厚みと土壌応力に耐える機械的強度が必要である。そのために塗料と一緒に繊維質の覆装材を使用すると、厚い塗膜の中にあって塗膜自体を強化し外力に対しては塗膜を防護する役目をなしている。

 

Q8:塗覆装だけで腐食対策は万全じゃないの?

A:塗覆装だけで腐食対策は万全とは言えない。

 塗覆装鋼管は種々の検査を行った後使用されるので、塗覆装に欠陥が皆無であれば腐食は起きない。しかし長期間の使用による経年劣化や小石などの食い込み、他工事による損傷及び現地継手部の一部施工不良などを考えると、塗覆装を無欠陥で長期に亘って維持していくことは困難と考えられる。

 塗覆装の欠陥部を防食し、補完する形で電気防食がある。

 

Q9:土壌抵抗率とは何?

A:土壌も固有の抵抗率を有している。土壌抵抗率は土の種類・含有されている塩類や水の量によって主に左右される。土壌抵抗率は腐食に影響を与える因子の一つである。一般に土壌抵抗率が小さいと埋設物の腐食が大きいといわれている。

 

Q10:地表面電位勾配とは何?

A:地中を迷走電流や電気防食電流、地電流などが流れると土も抵抗を有しているので、地中に電位差を生じる。地中で電位差を測定することは不可能ではないが費用が膨らむ。よって、地表面に適当な間隔(5~20m程度)をもって照合電極を設置し、この間に高抵抗電圧計を取付け測定し解析して代用する。

 この地表面の電位差を地表面電位勾配と称している。地表面電位勾配の測定で迷走電流の方向と大きさの目安をえることができる。

 また、本方法は他の防食施設からの干渉の大きさなども推測できる。

 

Q11:コンクリートも腐食に影響するの?

A:コンクリート中の鉄(鉄筋等)はアルカリの影響により不働態化し腐食は発生しない。コンクリートの劣化や割れ等でアルカリが中性化しない限り問題はない。

 土中の鉄の自然電位は-500mV(CSE)程度であり、コンクリート中では-200mV前後に変化する。埋設鋼管がコンクリートと土中を横断するような場合には、コンクリート中と土中の電位に差が出ることからマクロセル腐食が起こる。特にコンクリート中の鉄筋と管がメタルタッチすると更にマクロセル腐食を促進させる。